浴比

浴比

よくお電話口などで質問されるのが、染色時に使用する水の量です。確かに染色の本などをみていると、1ℓに対してどれくらいの助剤を使用するのかは書かれていても、肝心の水の量は書かれていないことが多いです。

一例ですが、浸染(染料液に染める記事を浸して染めるやり方)ですと、染める布(糸)の重さに対する倍数で水の量を表します。主に浴比と言われるものです。

浴比が1:40であれば、染める布の重さを1とし、その40倍の水の量が必要になります。
(布の重さが100gならば4ℓの水があればOK)

水の量が少ないと、布が動かしにくくて、染めた際にムラができやすいです。
逆に水の量が多すぎると、染料の吸収が遅かったり、加熱するのに時間がかかったりする場合もあります。

水の量は染料の種類や染める濃度、染めるものの形状によっても変動しますので、固定のものではありません。染める方それぞれによって変わります。
ですが、必ずしも正確に計る必要はなく、大まかな量でも大丈夫です。
大体浴比が1:30~1:50くらいはあれば、ある程度は問題なく染められます。
手元にある容器の大きさや量の計算のしやすさなども関わってきますので、一番やりやすい水の量で大丈夫です。

糸の場合
糸の場合は染料液が均等に入りやすく、ムラもできにくいので、浴比は普通の布を染めるときよりも小さめでもそめられます。
木綿、麻の場合は浴比1:20~30、絹や羊毛では浴比1:30~50が標準です。

染料の濃度によって変わる浴比

淡い色で染められたい場合は、染ムラができやすい為、浴比を標準よりも大きくします。
逆に濃い色の場合は浴比を小さくするとより濃く染まります。濃色だと染ムラもできにくいです。